相変わらずガタガタ震えながら、雪の上に整列する予備自補たち。
恰幅の良い、柔和で、それでいて威厳のある顔をした大隊長の第一声は、張りのある大きな声で「武士は食わねど高楊枝!」。
唐突なその言葉にきょとんとする予備自補一同。
そして続く大隊長の言葉。
「寒そうにするな!!」
寒くても寒そうに見せるな。
寒そうにしていたら敵につけこまれる。
寒そうにしていたら国民に頼ってもらえない。
だから、どれだけ寒くても寒そうにするな。
武士は食わねど高楊枝。
- 岡田真理『いざ志願!おひとりさま自衛隊』
「何の為に今まで自転車で足腰鍛えてきたんだ!男なら荷物ぐらい担げ!今こそ大和魂を見せよ!」
武蔵野けつたくり團主催大バーベキユー大会。設営部隊は0九00、料理長宅集合。
「昨日呑み過ぎで調子悪いつす」料理長やる気無し。いなげやで買出し。「麦酒と葡萄酒以外に何呑む?」、「俺、水でいいつす」。料理長二日酔ひ。
ユーカリ広場で設営開始。今回は知り合いの友人の友達の同僚とイケ面の整体師と御犬様の参加で、結局何名だつたつけ?兎も角今回はバーベキユー本番。演習の成果を見せねば。
炭がおきるまでレデイースの差し入れを戴く。「美味いね、これ。バーベキユーやんなくてもこれだけでもいいな」。「で、俺達何やつてんだつけ?」、「焚き火つす」。
しかし炭がなかなかおきなひ。かれこれ壱時間経過。「おかしひなあ、この前練習したのになあ。これじやあ、皆帰つちやうな」。
着火剤も使い果たした頃、何とか炭がおきる。さあ、野菜から焼こう。
「ちよつとこの玉葱食つていい?」、「なに食つてんすか。皆の分焼けてからつすよ」、「俺朝から何も食つてないんだよ」、「大和魂見せろつて言つてたの誰つすか」。
料理長も徐々に二日酔ひから回復す。今日も料理の腕が冴える。余輩も何かやるか。「俺キヤベツ切るよ。千切り出来るよ」バーベキユーでキヤベツの千切りして一体何になる。
「ミネストローネ作ろうと思つたんですけど鍋忘れました」焼蕎麦で使つたアルミ・プレート洗つて鍋の代用。このミネストローネ美味いじやん。
買つた食材は残さず全て食ひつくす。今回参加して戴いた皆様の御蔭で楽しいバーベキユーと成りました。またのお越しをお待ちして居ります。
今宵も醉つて候。