飛んでいるたまは「自分は敵を殺しにいくのだ」と言ってまっしぐらに敵に向かって行くであろう。
たまにとっては風呂屋へ寄ったり、たばこを買ったりする二次元的な目的というものはあり得ないのである。
日本刀もこの点では同じで、日本刀はたまのように速くはないけれども、一たん鞘を抜けた以上は、物、あるいは人を斬るという目的なしには鞘に納まることができない。
その目的に向けられないで抜かれてしまった場合には、日本刀は容易に敗北し、挫折するのである。
- 三島由紀夫『行動学入門』
人生は短い。男は自分探しなどしている暇はないのである。今日も良い酒の呑める店を探すのみ。
一寸遅いクリスマス。別にクリスチャンじやあないから良いのです。丸之内はイルミネーシヨンがまだあるし。
忘年会が続いているせいか今日は腹具合が宜しくない。余り呑みませんよ。
「お好み焼き行つてみる?」、「また並んでるよ」、「並んでまでお好み焼食いたい奴等の気が知れん」。
「ちよつと、おトイレ行くから良さそうな店探しておいて頂戴」、「はい」。
今日は新しい店を見つけて入る。「お二人様ですね。今席の準備しますので暫く此方でお待ち下さい」、ビルの地下なので外のテーブルもそんなに寒くはない。
煙草でも吸うか。結局、今年も煙草は止めなかつたねえ。店内に入る。店員は若いが丁寧な接客である。
「ピースマークがあるよ」、「何処、何処?あつ、本当だね」。反戦平和のシンボルであるピースマークに対抗してワー(War)マークというものも有るそうだが、
世の中すつかり左傾化してしまつた現在では御目にかかることができない。此処のメニユーは洋風。へえ、ハイネケンの生麦酒があるぜ。
オレンジと柿が入つたサラダが美味しひ。揚げ物は中身がさつぱり味。ビザは生地が薄くて伊太利亜風。
葡萄酒も安くて美味しかつた。何か適当に入つた店なのに満足。また来ませう。腹巻有難うね~!
今宵も醉つて候。